ホットメルト接着剤の塗布品質：ドット塗布およびビード塗布を成功させる方法

author Maurizio De Cubellis, スイス地域セールスマネージャー
新しい生産設備を計画中ですか？ホットメルト接着剤の塗布システムが納入範囲に含まれていますか？その場合は、機械メーカーと仕様を話し合う段階で、塗布ヘッドが正しく配置・導入され、設定調整が最適に検討されるように注意してください。そうすることで、数週間の生産運転後も、正確なドットおよびビードの塗布が可能になり、無駄な修正作業を防ぐことができます。当社の 7 つのヒントは、プロジェクト計画および試運転におけるよくあるミスを回避するのに役立ちます。

担当者は、ホットメルト接着剤塗布が品質要件を満たしているかどうかを検査します。良好なカットオフがされていること、所定の位置に塗布されていること、接着剤の量が適切であることなどです。

 

無駄な修正ではなく、正確な仕様設定を

ホットメルト接着剤の塗布は、一定で正確かつクリーンな圧縮空気の供給に影響されます。これにより、塗布ヘッドの電磁弁が確実に作動し、正確なタイミングで確実に開くことを保証します。お客様の設備でエアー式塗布ヘッドを使用しますか？


ヒント 1： 圧力低下を防ぐため、圧力レギュレータに複数の機器を接続することは避けてください。圧力レギュレータの圧力計で圧力を 5～6 bar に設定してください。


ヒント 2： 圧力レギュレータユニットに油分離器が組み込まれていることを確認し、電磁弁が耐用年数にわたって確実に機能するようにしてください。

 

適切なノズルで長期的にコストを削減

機械メーカーは、主に投資コストの削減のために、アングルノズルやマルチホールノズルを好んで使用します。マルチホールノズルを使用すると、たとえば、1つの塗布ヘッドで2つの接着剤ビードを塗布することができます。欠点は、アングルノズルやマルチホールノズルは洗浄が難しく、ノズル交換後の正確な位置決めには多くの時間と手間が必要だということです。

4本のホットメルトビードが2つのアングルノズルで塗布されます。アングルノズルは、使用状況によっては運用コストに悪影響を及ぼす場合があります。詳細についてご相談ください。

さらに、塗布のばらつきや、塗布ヘッド周辺の汚れもひどくなります。そのため、多くのユーザーは、後に信頼性の高いシングルノズルに交換します。しかし、そのためにはマルチヘッドへの交換が必要となり、結局、仕様段階で検討されたノズルを選択するよりも費用がかかってしまいます。

ヒント 3： 計画段階で、どのノズルを使用するかを確認してください。 できれば、シングルホールノズル（296 または 296 Diamond）を使用してください。 投資コストはすぐに回収できると確信してください。

 

アルミ製のノズルプロテクター：いつ必要になる？

ノズルプロテクターは、ノズルと製品の間に最小限の距離を確保します。これは、ホットメルト接着剤をきれいに塗布するために重要です。高粘度のホットメルト接着剤を高速の機械で使用する場合は、アルミニウム製のノズルプロテクターの使用をお勧めします。これにより、熱伝導が向上し、カットオフ性能が最適化されます。

下から見た、アルミ製のノズル保護カバー付き接着剤塗布ノズルアルミニウム製のノズル保護装置により、破損防止性能を向上

ヒント 4： 高粘度のホットメルト接着剤を使用し、機械の速度が高い場合は、アルミニウム製のノズルプロテクターを使用して、カットオフ性能を改善して下さい。

 

正しい塗布距離のためのスペースを確保する

機械メーカーは、設備を可能な限りコンパクトに設計し、利用可能なスペースを1センチも無駄にしません。そのため、ノズルと製品の間の距離が2～5ミリメートルになるようにして下さい。塗布ヘッドの位置を事前に確認してください。距離が大きすぎると、糸引きが発生しやすくなり、不良品の発生リスクが高まります。

ヒント 5：塗布ノズルと製品の距離をできるだけ短く保ち、当社の専門家による設定のチェックを受けてください。塗布の品質に、ノズルと製品の距離ほど大きな影響を与える要素は他にありません。

 

始める前に：ポンプの圧力と加熱ゾーンの温度を確認してください

メルターは、ホットメルトを溶融し、塗布ヘッドに圧送します。定義された量の接着剤を、製品の正しい位置にきれいに塗布するには、メルターの加熱ゾーンの温度とポンプ圧力を正しく設定する必要があります。

スマートターミナルの加熱ゾーン管理と、ポンプ用圧力調整ユニットの圧力計の詳細。メルター Alpha の圧力調整ユニットおよび加熱ゾーン温度設定

ヒント 6：メルターへの圧縮空気の供給圧力が 6 bar であることを確認してください。生産開始前に、ポンプの圧力が 3.0～3.5 bar であることを確認してください。

ヒント 7：ホットメルト接着剤のデータシートに記載している推奨温度に注意してください。加熱ゾーンの温度設定は、以下の経験則に従ってください

  • 加熱ゾーン 塗布ヘッド：データシートによる
  • 加熱ゾーン 加熱ホース：塗布ヘッドより 5～10 °C 低い
  • 加熱ゾーン 溶融装置：加熱ホースより 10～30 °C 低い

必ず専門家による加熱ゾーンの温度確認を行ってください。接着剤の使用量や用途に応じて、加熱ゾーンの管理は個別に調整する必要があります。

 

塗布ヘッドを用いたシステム設計ガイド

すべてのヒントを、無料ガイドにさらに詳しくまとめました。このガイドでは、接着剤の塗布品質を最適化する方法に関する情報だけでなく、計画段階で、後の運用におけるメンテナンスの負担を軽減するための推奨事項も紹介しています。

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Maurizio De Cubellis, スイス地域セールスマネージャー

マウリツィオ・デ・クベリス氏は、16 年間にわたり、スイスの企業に対して工業用接着剤の塗布に関するアドバイスを提供してきました。同氏は、その貴重なアドバイスを、実践的なガイドブックにまとめました。

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