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PUR接着剤の正しい使い方:実用的なヒント

 

反応性PURホットメルト接着剤とは?その特徴とは? 

EVA、PSA、POなどの熱可塑性ホットメルト接着剤は、加熱して溶融され、高温の状態で塗布され、冷却されるにつれて再び固化します。反応性ホットメルト接着剤(PUR)も、高温の状態で塗布されます。 塗布後、PUR接着剤は冷却されることで初期強度に達します。その後、周囲の環境や基材に含まれる水分と反応し、化学的架橋によって最終的な強度に達します。この組み合わせにより、PURは特に高い性能を発揮します。強い接着力を実現するためには、接着剤の層は、非常に薄くても十分です。これは例えば書籍の製本にもその特徴が表れています。PURで接着された本の背表紙は、接着剤の層が非常に薄いにもかかわらず、しっかりとした強度を保ちながらも、柔軟性を維持しています。

本の背表紙の接着:薄く塗布したPUR接着剤により、強固でありながら柔軟な背表紙を実現

PUR接着剤はどのような場合に適しているか? 

PURは、あらゆる用途に万能な接着剤というわけではありません。接着剤塗布システムへの投資コストは、非反応性ホットメルト接着剤よりも高くなります。しかし、接着部が長期にわたり高い負荷に耐えなければならない場合、PURを使用する価値は大いにあります。

PURは、特に次のような製品においてその価値が発揮されます:

  • 湿気や水にさらされる場合

  • 高温にさらされる場合

  • 化学的または機械的な負荷がかかる場合

  • 薄く、きれいで、見た目の美しい接着接合が求められる場合

  • 接着が困難な素材に確実に接着する必要がある場合

  • 長期にわたり安定性を維持する必要がある場合

その一例が、木材産業におけるエッジバンディングです。家具の部品は輸送コンテナで運ばれ、熱、寒さ、湿気、そして極端な温度変化にさらされます。このような条件下では、非反応性のホットメルト接着剤はすぐに限界に達してしまいます。また、PURは、改ざん防止機能が求められる、または法律で義務付けられている包装においても、とても有用な選択肢となります。包装はしっかりと密封されるため、開封や改ざんがあれば、直ぐに痕跡を確認できます。

目立たない継ぎ目のエッジバンディング:PURなら問題なし

要するに、PURは、単に、仕上りの速度重視が求められる(素早く接着できれば良い)のではない場合、導入を検討する価値はあります。品質、耐久性、安全性、そして耐用年数が重要な要素となる場合、PURは多くの場合、最適なソリューションとなります。

PUR接着剤を使用する際のヒント 

PURを使用する際に発生する問題の多くは、接着剤そのものが原因ではありません。重要なのは、接着剤、接着剤塗布システム、工程管理、そして作業者の技能の相互作用です。したがって、反応性接着剤に適したシステムを使用することは、日々の生産現場で適切に取り扱うことと同じくらい重要です。十分なトレーニングを受けた作業員も、重要な鍵となります。EUでは、ジイソシアネートを含む一部の製品について、トレーニングが義務付けられています。

以下のヒントでは、日々の作業で発生しうる問題と、その予防・解決方法について解説します。

ヒント 1:PUR接着剤を湿気から守る 

PURと湿気――これは注意が必要な組み合わせです。塗布後、PUR接着剤は化学的に硬化し、最終的な強度に達するために湿気を必要とします。 しかし、塗布前は、湿気は極めて大きな問題となります。湿気が、作業の早い段階で、容器、タンク、または接着剤塗布システムに入り込むと、接着剤が早期に硬化してしまいます。その結果は、すぐに現れます。タンク内の皮膜形成、接着剤中のゲル状粒子、フィルターの目詰まり、ノズルの詰まり、接着剤圧の上昇、塗布ムラ、あるいは稼働停止後の初期製品の接着不良、などです。最悪の場合、接着剤を廃棄し、システムを徹底的に洗浄しなければなりません。

特に注意が必要なのは、容器の蓋が開いている、または密閉が不十分な容器、包装が破損している場合、長時間開けっ放しになったタンクの蓋、湿気を含んだ圧縮空気、結露、あるいは稼働停止中にノズルを開いたままにしておくこと、などが挙げられます。また、冷たい容器を、暖かい生産現場にて、すぐに開けてはなりません。結露を引き起こす恐れがあるためです。

したがって、接着剤塗布システム全体を、常に湿気から保護する必要があります。これには、密閉型の接着剤システム、しっかりと閉まるタンクの蓋、適切なシール、そして、乾燥空気や窒素を充填してPURが入っている容器の内部を保護する必要があります。

最適化の方法:

  • 接着剤の容器は、使用直前に開封してください。

  • 開封した容器は、できるだけ短時間だけ開じてください。

  • 低温の容器は、開封前に周囲の温度になじませてください。

  • タンクの蓋および接着剤システムは、密閉した状態に保ってください。

  • 乾燥しており、清潔で、油分や水分を含まない空気のみを使用してください。

  • アプリケーションノズル使用しないときは、メーカーの指示に従って保護してください。

滞留時間、およびダウンタイムを適切に管理する 

塗布温度は、接着剤の流動性、塗布仕上りの美しさ、および基材への濡れ性に影響を与えます。 したがって、接着剤メーカーが、テクニカルデータシートで推奨する温度に従う必要があります。たとえ接着剤の流動性が低下した場合でも、単に温度を上げることは推奨されません。原因を特定し、それを改善することの方が、より重要です。

処理温度と同様に重要なのが滞留時間です。接着剤が処理温度の状態でシステム内に留まる時間が長ければ長いほど、熱による負荷は大きくなります。これにより、粘度の増加、接着剤の堆積、接着剤圧力の増加、および塗布パターンのばらつきが発生する可能性があります。

生産の中断は、特に重大な問題です。稼働を停止している間も、接着剤はシステム内で熱による負荷を受け続けます。同時に、タンク、ノズル、または漏れ箇所から、湿気が接着剤塗布システムの中に入り込むリスクが高まります。再稼働時には、その結果として、接着剤圧力の上昇、糸引き、塗布の不安定化、あるいは初期製品の接着不良といった問題が生じることがよくあります。

生産を停止する際の対応方法は、いくつかの要因によって異なります:

  • 使用する接着剤

  • システム内の接着剤の量

  • 生産停止期間

  • 接着剤メーカー、および設備メーカーが定める仕様

したがって、短時間の休憩、シフト交代、週末、および長時間の生産中断など、それぞれの状況に応じて異なる対策が必要となります。この件については、専門家に相談してアドバイスを受けてください。ダウンタイムを短縮するための簡単な対策として、温度を下げる方法があります。これにより、接着剤が不要な熱による負荷を受けるのを防ぐことができます。

再稼働する際は、接着剤の圧力、塗布パターン、および最初の製品を確認してください。システムの状態によっては、フラッシング(洗浄)が必要になる場合があります。

最適化のポイント:

  • テクニカルデータシートに記載されている塗布温度を厳守してください。

  • 必要以上に長時間、接着剤を加熱し続けないでください。

  • 稼働停止期間に応じて、明確なガイドラインを設けてください。

  • メーカーの仕様に従い、稼働停止中は温度を下げてください。

  • 長時間の作業中断時には、湿気に対する追加の保護対策を行ってください。

  • 稼働停止中は、ノズルを適切に密閉するか、または保護してください。

  • 再稼働する際には、接着剤の圧力、塗布パターン、および最初の製品を確認してください。

  • 必要に応じて、システムをフラッシング(洗浄)してください。


ヒント 3:接着条件を一定に保つ 

接着品質を決定づけるのは、接着剤や塗布システムだけではありません。塗布量、基材、清浄度、および周囲の環境条件も同様に重要です。接着剤が少なすぎると、基材への十分な濡れが得られなかったり、接着部に隙間が生じたりする可能性があります。一方、接着剤が多すぎると、硬化時間が長くなり、外観が損なわれるだけでなく、汚れの発生や、洗浄作業に要する労力も増大します。

基材の状態も、接着品質を左右する重要な要素です。ほこり、油分、湿気、低温、あるいは温度や湿度の大幅な変動は、接着の仕上りい悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、低温の製品は、使用前に室温に戻しておく必要があります。

最適化のポイント:

  • テクニカルデータシートに記載されている塗布量と硬化時間を遵守してください。

  • 基材を清潔で乾燥した状態に保ってください。

  • 低温の製品は、接着前に周囲の温度になじませてください。

  • 材料温度および周囲温度を可能な限り一定に保ってください。


ヒント 4:接着剤の切り替えと洗浄を適切に行う 

PUR系接着剤は、他の接着剤、洗浄剤、油、または異物と混合しないでください。ごく少量の残留物であっても、工程に支障をきたす可能性があります。このような問題は必ずしも直ちに明らかになるわけではなく、場合によっては、接着剤の交換から数週間あるいは数ヶ月経ってから発生する場合もあります。 したがって、接着剤を交換する際には、接着剤塗布システム全体を徹底的に洗浄することが極めて重要です。洗浄剤、フラッシング剤、および新しいPUR系接着剤は、互いに、また のシステムと互換性がある必要があります。接着剤を切り替えた後は、塗布パターンと、最初に製造された製品を注意深く検査する必要があります。

最適化のポイント:

  • 指定された手順に従ってのみ、接着剤を交換してください。

  • 承認済みの洗浄剤またはリンス剤のみを使用してください。

  • 古い接着剤を完全に除去してください。

  • 接着剤を切り替えた後は、塗布パターンと最初の製品を確認してください。

  • 問題が再発した場合は、プロセスデータを記録し、サービス部門にご連絡してください。


実際の接着剤使用量に合わせてPURシステムを設計する 

PURシステムの設計は、ポンプの最大吐出能力のみに基づいて行うべきではありません。実際の接着剤消費量が、システムの設計を決めるな重要な要素となります。塗布作業中、ポンプは短時間だけ高い吐出能力を求められることがありますが、平均接着剤消費量は、それよりも大幅に少ないこともあります。

システムを過大に設計すると、常に不必要に大量の接着剤が加工温度に保たれた状態になります。これにより、滞留時間、熱による負荷の増加、洗浄作業の負担、洗浄剤の消費量、メンテナンスコスト、およびダウンタイムのリスクが増加します。また、接着剤の供給経路が長いほど、継続的に加熱される接着剤の量も増加します。

必要な吐出量に基づいてシステムを設計することで、必要なピーク出力を確保しつつ、加熱される接着剤の量を可能な限り少なく抑えます。接着剤の消費量が少ない場合や、変動が激しい場合には、「メルトオンデマンドシステム が適した選択肢となります。このシステムでは、その時点で必要な量の接着剤だけを溶融します。

最適化のポイント:

  • 実際の接着剤使用量に基づいてシステムの仕様を決定してください。

  • 加熱する接着剤の量を、可能な限り少なく抑えてください。

  • 接着剤の流路が長くなりすぎないようにしてください。

  • 接着剤使用量が少ない場合や不規則な場合は、「メルトオンデマンドシステム」を使用してください。


PUR接着剤の正しい使用法:重要なポイントの概要 

PUR接着剤には、大きなメリットがあります。私の経験上、PURは取り扱いが複雑な接着剤というわけではありません。ただし、材料、設備、環境などと、操作の、適切な組み合わせが求められます。重要なのは、単一のパラメータだけではなく、日々の生産現場での適切な取り扱いなのです。

そのため、関連するガイドラインに従い、作業員に適切なトレーニングを受けさせ、プロセスに適した接着剤塗布システムを使用することが重要です。これらの点を考慮することで、製造業者は、安定したプロセスを実現し、予期せぬダウンタイムを削減し、安定的に高い接着品質を維持することができます。したがって、PUR接着剤を正しく扱うために時間をかけることは、それだけの価値がああるということです。

PUR接着剤の正しい取り扱い方や、お客様の用途に適したシステム設計についてご質問はございませんか?お近くのRobatech担当者が、システムの選定、試運転、トレーニング、PUR接着剤塗布の最適化まで、幅広くサポートいたします。