最大8 kg/hの溶融能力を持つ接着剤塗布システムのカーボンフットプリントを詳細に分析すると、運用段階が、環境負荷の最大部分を占めていることがわかります。 10年間のライフサイクル全体で見ると、ホットメルト接着剤の使用量による排出量が429 t CO₂-eq.を占め、次いで電力消費による排出量が13.7 t CO₂-eq.となっています。使用段階を除くと、接着剤塗布システムの環境負荷はわずか1.55 t CO₂-eq.にとどまります。
その結果、工業用接着剤塗布におけるCO₂排出量の約99%は、接着剤の製造および溶融の段階で発生しています。 したがって、CO₂を削減するための、最大かつ直接的な方法は、接着剤の塗布量を節約することにあります。特に、主にビード塗布を採用している包装業界では、接着剤の塗布量を最適化することで、Scope 3排出量を大幅に削減することが可能です。
接着の品質を保つためには、適切な場所に十分な量の接着剤を塗布する必要があります。しかし、「十分な量」とはどれくらいのことでしょうか?接着剤の量が多いからといって、必ずしも接着力が強くなるわけではありません。 接着強度を確認するには、横方向の引裂強度という指標を用いることができます。これは、接着部や材料を、力を加える方向に対して直角に引き裂いたり分離させたりするために必要な力を表すものです。これにより、以下の点を確実に判断することができます:
輸送や取り扱い時の負荷に対して、シーム強度が十分かどうか。
試験結果によると、短いビードやドット塗布は、長いビードよりも大きな引裂強度を必要とすることが分かりました。 まさにここに、ホットメルト・ステッチング:
の真価があります。接着剤を長いビード状に塗布する代わりに、短いビードやドットにして塗布します。こうすることにより、接着強度を維持しつつ、接着剤の使用量を削減することができます。
以下の実例は、接着剤塗布を最適化することで、接着剤の使用量にどのような良い影響があるかを示しています。
分速40箱の処理能力を持つダンボール封緘機において、蓋のフラップを接着するための2つの空圧式ジェッテッィングヘッドを、電動ジェッティングヘッドに交換しました。この変更が必要となった理由は、多数の小さなビードやドットの接着剤を塗布するには、高い切り替え頻度と多数の動作サイクルが必要となるためです。
段ボールフラップの接着:ホットメルトステッチングおよびその後のプロセス最適化による接着剤消費量の削減
当初は、段ボール1箱あたり18 gの接着剤を塗布していました。ホットメルト・スティッチングの導入により、8.2 gの接着剤を削減することができました。さらに、その後の塗布プロセスの最適化により、段ボール1箱あたりさらに2.6 gの削減につながりました。その結果、接着剤の使用量を合計で60%も削減することができました。
1年間の稼働に換算すると、接着剤塗布の最適化は複数の面でメリットをもたらします。前述のダンボール封緘機の例からも明らかなように、接着剤の塗布量を減らすことで、CO₂排出量と接着剤コストを大幅に削減できます。さらに、電動アプリケーションヘッドを採用することで、メンテナンスや交換部品にかかるコストもさらに削減できます。 これらは圧縮空気を必要としないため、ダイナミックシールや電磁弁を必要としません。さらに、この例で取り上げたホットメルト・スティッチングヘッド「Volta」の耐用年数は、最大20億回の動作サイクルに達します。 スティッチング方式では、空圧式ジェッティングヘッドを用いたビード塗布に比べてスイッチング周波数が最大4倍になりますが、空圧式の比較モデルと比較して、耐用年数は10倍から40倍長くなります。まとめると、以下のコスト削減効果が得られます:
ホットメルト・ステッチング機能を備えた電動アプリケーションヘッドの採用や、塗布プロセスの最適化により、CO₂排出量を削減できます。接着剤の塗布量を削減することで、生産コストが低減されるだけでなく、接着部の強度もより増します。
したがって、工業用接着剤の塗布において、サステナビリティは単なるコスト要因ではなく、具体的な経済的効果をもたらします。
CO₂排出量や接着剤消費量をどの程度削減できるか、ご興味はおありでしょうか?弊社では、お客様の接着剤塗布プロセスを分析し、必要に応じてROI(投資回収効果)の算出も承ります。